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ひとに寄り添うデザインの追求

デザインは複数用意しない

大学時代に「デザイン案は“本命”“第2候補”“捨て案”の3案は必ず用意すること」というルールを教わったことがあります。

本命だけで勝負して、それがクライアントの意にそぐわなければ、その時点で仕事が頓挫してしまうので、この教えは至極まっとうな気もします。

しかしながら、中村は「クライアントに見せる案は少なければ少ない程良い」と考えています。なのでデザインする際は大概、1案だけ引っさげてプレゼンに出かけます。

初めて仕事をするクライアントや、「複数案作って」と要求されれば2~3案作ったりもしますが、本当はこれ!と言えるような1案をドカーンとプレゼンできればそれに越したことはないと思っています。

複数案あれば選択肢も増えて、クライアントに喜ばれそうなもんですが、実はそうでもなかったりします。なぜならクライアントがデザインを依頼してくる場合、明確なビジョンを持って発注される方は極希だからです。

漠然としたイメージはあるものの、それを具体的な言葉や形で示すことができない相手に対し、複数の回答を用意しても、余計な選択肢を与えて、より混乱させることになりかねません。

ですから、オリエンやヒアリングで得た情報を基に、デザイナー側でイメージを膨らませ、そこから生まれる幾つものアイデアの中から、最も相応しいと思える回答を導き出します。これには捨て案や第2候補を作らないで、全力で1つの案と向き合える分、総じて質が高くなるという利点もあります。

とは言え、クライアントにも色々なタイプの方がいるので、できるだけ柔軟に対応しようとは思っています。場合によってはラフ段階で複数の案を提示して、一緒に作り込んでいった方が良い結果を生むこともあります。

要は最終的に良いものを創る上で、どういうやり方が良いのか?結果だけでなく方法についてもきちんと考えておかなければならない、ということですね。

クライアントの性格や、デザインする対象の性質、納期や予算など多くの要素がありますが、それらを把握して最善の方法を導き出す。これもデザインの重要な要素の1つだなと感じます。

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