仕事で名刺を作ることになり、デザインをはじめ、紙から印刷業者の手配まで滞りなく進行した…ように思っていたのですが、いざ入校という段階になって問題発生。
「リベロ」という表面に凸凹の筋の入った紙を使って名刺を作るつもりでした。縦組みの名刺だったので、その筋も縦に流れるよう発注しようとしたら
「名刺の常識からするとその使い方はお勧めできません」
と一言。どうやら名刺には紙をT目に使うという常識があるようです。
T目が何かと言いますと、紙の繊維の流れのことで、下図左のように縦に繊維が流れているものをT目(縦目)、下図右のように横に流れているものをY目(横目)と言います。詳しくはTAKEO paper 紙の流れ目をご覧になって下さい。
今回この流れを考慮せずに紙の模様だけを見てY目の名刺を作ろうとしていたわけですね。
で、どうして名刺がT目でなければならないのか?と言うと、これがちょっとわからないそうなんです。(常識って往々にしてそういうもんかもしれませんが…)推測によると“名刺がお辞儀しないように”ということらしいんです。横目だとフニャッとして曲がりやすくなりますからね。
恥ずかしながら、中村は別に日常生活で常識とか礼節を重んじるという程大切にしてはいませんが、仕事となると話は別です。その名刺を使うことによってクライアントが“礼儀知らずだな”なんて思われたらそれは中村の責任ですから。
見方次第で「見た目が良ければ常識なんて必要ないんですよ」と取れないこともなく、クライアントの業種によってはそれこそ信用に関わることだったりします。
結局その場で答えを出さずに、それでも見た目重視でいくか、常識を考慮するか、あるいはまた別の紙で刷るかをクライアントと検討することにしました。
こういう時って本当に迷います。見た目か機能(今回は常識)か?常識を覆すことが悪いこととは思いませんが、それにはそれに見合った理由とか意志がいるんだなぁと感じた出来事でした。





